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8/102021

B777のアンチ・バランス・タブ。

B777の垂直尾翼に付いているラダー。よく見ると、ラダーの下部分にもうひとつ動く機構があるのが分かります。

このラダーの下部分についているのは「アンチ・バランス・タブ」というものです。

「アンチ・バランス・タブ」は、「タブ」と呼ばれる動翼の一種類で「タブ」とは、

昇降舵,補助翼および方向舵の後縁に取り付けられた小さな動翼で, 各操縦翼面の操舵力を小さくしたり,あるいはトリムをとることにより,飛行中,パイロットの負担を軽くする

-航空実用事典

ものです。その中の「バランス・タブ」は、

大型ジェット機の人力操縦方式の場合に,操舵力を軽減するためのタブ

-航空実用事典

で、タブが動くことで空気力が発生し、それによりパイロットは小さな力で操縦翼面(ラダーなど)を動かすことができるようになります。 が、現代の旅客機は設計と油圧系統の発展によりあまり姿を見ることは無くなってきています。

その"アンチ"バージョンである「アンチ・バランス・タブ」は、

操縦翼面の効きを増し,操縦性をより強化させるために用いるタブ

-航空実用事典

で、前述した「バランス・タブ」は操縦翼面の操舵力を軽減することはできますが、 操縦翼面の動きと逆に動くので、操縦翼面全体としての効きは悪くなってしまいます。 時代が進むにつれて操縦翼面は人力ではなく油圧で動くようになり、「バランス・タブ」をつけて操舵力を軽減させる必要はなくなりました。 そこで操縦翼面の効きを良くするという役割で、 操縦翼面の動きと同方向に動くようにしたのが「アンチ・バランス・タブ」です。

 多くの飛行機は1エンジンアウトのときに、残り1つのエンジンで飛行しなければならなくなり、 そのときに機首方向を定めるラダーの制御は必要不可欠になります。B777はエンジンのパワーに対して垂直尾翼、 つまりラダーが小さいのでラダーの効果を最大限に発揮するために「アンチ・バランス・タブ」が付いています。

一方、現在の最新鋭機であるB787やA350には「アンチ・バランス・タブ」が付いていません。 これは制御のためのコンピュータの技術発展により、1枚のラダーだけで十分コントロールできるようになったと考えられます。

こう考えると、今後「アンチ・バランス・タブ」を付けた航空機は見れなくなってしまうのかもしれません。

飛行中のラダー、アンチ・バランス・タブの動きを見るのはなかなか厳しいですが、 飛行機がタクシーアウトした後の操縦翼面チェックでその動きを見ることはできます。

こちらは動画で。


参照元: 航空実用事典