Diary

8/42021

B777のフラッペロン。

B777には「フラッペロン」と呼ばれる動翼が主翼に付けられています。 フラッペロンは「フラップ」と「エルロン」を組み合わせたものです。

この動翼はフラップを下げるときに同じように下がり(≒フラップ)、 その下がった位置を基準に左右で逆に動きロール方向の制御をする(≒エルロン)動翼です。

フラッペロンと呼ばれる機構はB777の他、A330、A340、B767、B787にも付いていますが、 「フラッペロン」という用語はボーイング社が名付けたものなので、ボーイング社製の機種にしか使われていません。

「エルロン」は航空機には機体のロール方向の姿勢を制御するために付けられている主翼後縁に装備されて機構です。 エルロンはパイロットがコントロール・ホイール(操縦桿)を左右に動かすことで稼働する機構で、 エルロンが上がったり下がったりすることで、左右の主翼で揚力差が生じ、次のように動作します。
操縦桿を右に回す→左翼のエルロン「下がる」/右翼のエルロン「上がる」=機体が右に傾く
操縦桿を左に回す→左翼のエルロン「上がる」/右翼のエルロン「下がる」=機体が左に傾く
(エルロンが下がる=揚力が増加=増加した方の翼側が上がる=機体が傾く)

「フラップ」は主翼の後縁を下に折り曲げ、反りを大きくすることで揚力係数CLを大きくする働きがあります。 この揚力係数CLが大きくなると、揚力も比例して大きくなるので、航空機の飛行に寄与することになります。

ボーイング社の大型機では、エルロンリバーサル(*1)を防ぐために 主翼の内側と外側にエルロンを装備し、ねじれやすい外側のエルロンは高速飛行時には固定し、 内側のエルロンだけでロールをコントロールするようにしているそうで、 特にB777ではフラップとして下がるエルロンが内側とその外側にありますが、内側のみをフラッペロン、外側はエルロンと読んでいるようです。 (エアバス機は、翼に大きな剛性を持たせてエルロンは外側にのみ装備しているらしい。)

話を「フラッペロン」に戻します。このフラッペロン、離陸時に興味深い動きをします。

航空機が離陸のために滑走路に入り、パイロットがエンジン出力を上げて航空機が動き出すか出さないかくらいのところで それまでニュートラルの位置にあったフラッペロンは"だらん"と宙ぶらりんの状態になります。

これはエンジン出力を上げるときにフラッペロンのアクチュエータがあまりよい位置にないようで、 エンジンを邪魔しないように固定されない状態になります。

航空機はそのまま離陸滑走を始めます。そしてある程度速度がついた頃、 まだ車輪が地面についている段階でフラッペロンはオリジナルの位置に戻り、制御が開始されます。

その様子がこちら。分かって見るととてもかわいい動きをしています。


*1: ロールをコントロールするためのエルロンは翼に付けた方が効率は良いが、 翼に十分な剛性(=ゆがみにくさ)がないと、エルロンを動かすことによる空気力で翼がねじれ、迎角が小さくなり、揚力が小さくなってしまうこと。