#B777

B777の歴史

History of B777

1980年代、

Boeing社がB767の後継機の開発計画を開始。

1986年暮れ、

Boeing社は市場調査を開始。
UAL(ユナイテッド航空)、ANA(全日本空輸)、BAW(ブリティッシュ・エアウェイズ)、JAL(日本航空)、CPA(キャセイパシフィック航空)、AAL(アメリカン航空)、DAL(デルタ航空)、QFA(カンタス航空)に対しては、機体設計にも意見を求めた。

1989年12月8日、

「767-X」として航空会社に提案される事が決定。
後に"MD-11"、"A330/340"に対抗し、"B767-300"と"B747-400"の間を埋める機材として開発することになったため、エアラインの要望からB767の胴体を捨て、より太い真円断面を用いた大きな胴体を、コクピットはB767のものではなく当時最新のB747-400スタイルに最新技術を盛り込んだものを開発することになった。

1990年10月15日、

UALが34機発注。

1990年10月29日、

開発に着手することが決定。(正式ローンチ)
機体名も「Boeing777」に変更された。

B777-100

B777の基本型であるB777-200より胴体を短縮し、航続距離を延ばしたタイプ。

しかし、収容力の小ささ、座席あたりの運航コストの上昇、-200/300型機でも-100型で計画していた超長距離飛行が可能になりそうということなどから製造されることなく計画は無くなった。

B777-200

B777シリーズで基本型として初めて開発されたタイプ。

1990年10月15日、

UALより初受注。

1994年4月9日、

PW4077エンジンを搭載した試験機第1号機(N7771)がロールアウト。

1984年6月12日、

初号機N7771が初飛行。

1995年4月19日、

PW4077エンジンのB777-200がFAA/JAAの型式証明を取得。

1995年5月7日、

B777-200(N777UA)をUALに引渡し。(*初納入を5月15日とする記述もある。)

1995年6月7日、

UALでN777UAが初商用運航。

1995年11月9日、

GE90エンジンのB777-200が型式証明を取得。

1996年4月3日、

Trent800エンジンのB777-200が型式証明を取得。

日本のエアラインは当時のANA、JAL、JAS三社とも導入。

現在(2022年5月時点)、B777-200LR/300ERの台頭で-200の生産は終了し、-200は2001年12月31日にANAが発注したのが最後になった。[総生産数88機]

B777-200ER

B777-200より航続距離を延長したタイプで、当初は-200IGW(Increased Gross Weight)と呼ばれたが、後に-200ER(Extended Range)に変更された。

1991年6月14日、

AFRより初受注。

1996年9月3日、

ロールアウト。

1996年10月7日、

初号機が初飛行。(登録記号不明)

1997年1月17日、

型式証明を取得。

1997年2月6日、

B777-200ERをBAWに引渡し。(登録記号不明)

名称が「777 IGW」から「777-200ER」に変更された。

1997年2月9日、

BAWで初商用運航。(登録記号不明)

日本のエアラインは当時のANA、JALが導入。ANAは従来の-200発注分で型式切替えを行った。

現在(2022年5月時点)、B777-200LR/300ERの台頭で-200ERの生産は終了し、-200は2009年12月21日にANAが発注したのが最後になった。[総生産数428機]

B777-300

B777-200ERの胴体を延長したタイプ。

1995年6月4日、

パリ航空ショーで公式ローンチ。

ANA/CPA/KAL/THAが発注する移行を示した。(計31機)

1995年6月14日、

初受注。

1987年9月8日、

Trent892エンジンのCPA向け初号機がロールアウト。(登録記号不明)

1996年10月16日、

初号機が初飛行。(登録記号不明)

1998年5月4日、

型式証明を取得。

1998年5月21日、

初号機をCPAに引渡し。

1998年5月28日、

CPAで初商用運航。(*5月27日とする記述もある。)

日本のエアラインは当時のANA、JALが導入。ANAのB777-300は1997年10月20日にロールアウト、同年11月15日に初飛行した。

現在(2021年2月時点)、B777-200LR/300ERの台頭で-300の生産は終了し、-300は2004年3月29日にCPAが発注したのが最後になった。[総生産数60機]

B777-200LR

B777-200ERよりさらに航続距離を延長したタイプ(Longer Range)。B777-300ERと同時に開発が決定した。

2000年2月27日、

初受注。

2000年2月29日、

B777-300ERと同時に開発決定。

2005年3月8日、

初号機が初飛行。(登録記号不明)

2005年11月10日、

東回りで香港-ロンドン間(21,600km)を22時間42分かけて飛行。(民間機航続距離世界記録)(登録記号不明)

2006年2月2日、

型式証明を取得。

2006年2月27日、

初号機をパキスタン航空へ引渡し。

2006年3月3日、

PIAで初商用運航。

元々の計画では、-300ERの1年遅れで作業が進められる予定だったが、2001年に起きた9.11で中断され、2003年3月12日に再開された。

日本のエアラインで導入している会社はない。

B777-300ER

B777-300より航続距離を延長したタイプ(Extended Range)。

2000年2月29日、

B777-200LRと同時に開発決定。

2000年3月31日、

JALが初発注。

2002年11月14日、

初号機(N5017V)がロールアウト。

2003年2月24日、

初号機(N5017V)が初飛行。

2003年4月6日、

2号機(N5016R)が初飛行。

2004年3月16日、

型式証明を取得。

2004年4月29日、

AFRへ引渡し。(F-GSQA)

2004年5月10日、

AFRで初の商用運航。

日本のエアラインはANA、JALが導入。初号機(N5016R/現JA731J)と2号機(N5017V/現JA732J)は現在もJALで運航されている。

B777Freighter

B777-200LRをベースとしたB777の純貨物型。

2005年5月24日、

AFRが初発注(5機)。(ローンチ)

2008年5月21日、

初号機がロールアウト。

2008年7月14日、

初飛行。

2009年2月6日、

型式証明を取得。

2009年2月19日、

AFRへ引渡し。

2009年2月22日、

AFRで初の商用運航。

日本のエアラインでは、ANAが2機保有している。(愛称:Blue Jay)

B777X

B777ファミリーの後継機として開発中のタイプ。

2012年10月4日、

Boeing社が777Xを2019年までに市場投入を検討していると発表。

2013年3月15日、

エンジン開発パートナーにGEを選定。

2013年9月19日、

ルフトハンザグループが777-9を34機発注。

2013年11月17日、

ドバイ航空ショーで777Xがローンチ。

エティハド航空が777-9型機を17機、777-8を8機発注。

2019年3月13日、

エバレット工場にて初号機777X(X779XW)が従業員向けにお披露目。

2020年1月26日、

初号機(N779XW)が初飛行。

現在(2022年5月時点)も開発/製造途中。コロナの影響や機体開発の遅れなどにより導入はまだ先の予定。

日本のエアラインではANAが導入予定。

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