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コロナ禍で続々とその数を減らしているB777。

37年前の今日、1984年6月12日は、そのB777の初号機が初めて空を飛行した日です。

B777という名前

B767とB777

B777は、元々B767の発達型として1980年代に計画されましたが、その後、機体に対する要望から方向性ががらりと変わり、B767とは全く別のものになってしまったため新たな機体名として「Boeing777」がつけられました。

余談ですが、「B777」という名称はここで出てきたのが初めてではありません。

1970年初頭、B727-200の後継機としての次世代航空機が計画されたとき、長期間の研究を続ける中で、

  • シングルアイル(単通路)を「7N7」、
  • ツインアイル(2通路)を「7S7」

とする案が出ました。しかしその後中間の太さの胴体を採用することとなり、新機種は"7X7"としてエアラインに提案されます。

エアライン側では、エンジンの数に関して意見が分かれたため、

  • 双発を「767」、
  • 3発を「777」

として、同じ胴体/同じ主翼で開発されることとなりました。

結局、3発機に興味を示すエアラインが現れなかったため、双発一本化となり、1978年に新機種は「767」として開発が本格化し、「777」という名称は消えました。

そしてその後わずか5年もせずに「767」の発展型として「777」が出てくることとなります。
(おまけ:途中で出てきた「7N7」は1976年に「757」として開発されています。)

B777のぷち歴史

ユナイテッド航空B777

話は「Boeing777」に戻りますが、B777ファミリーの基本型「B777-200」のローンチカスタマーは "ユナイテッド航空"です。

ユナイテッド航空は1990年10月15日にB777を34機を発注しました。

B777は1990年10月29日に開発が開始され、1994年6月12日、PW4077エンジンの試験第1号機が初飛行を果たします。この機体の登録記号は"N7771"でした。

初飛行後も開発は順調に進み、
1995年4月19日、PWエンジンでのFAA/JAAの型式証明を取得、
1995年5月7日、ユナイテッド航空へ引渡し(登録記号はN777UA)、
1995年6月7日、ユナイテッド航空でN777UAがロンドン-ワシントン間で初就航、という軌跡をたどりました。

B777の初飛行機と初就航機

キャセイパシフィック航空B-HNL

前述したとおり、初飛行と初就航を果たした機体は別物です。

初飛行を果たした"N7771"はテスト機として活躍した後、2000年12月にキャセイパシフィック航空に購入され、登録記号"B-HNL"として飛行を続けました。(エンジンはPW4000からTrent800に付け替えられました。)

そして約8年後の2018年6月に現役を引退し、アメリカのピマ航空宇宙博物館へ寄贈され、現在も展示されています。

-余談-B777が生まれたきっかけ

そもそも「B777」が生まれるきっかけになったのは、 ユナイテッド航空のジム・ガイヤット上級副社長(当時)がペーパーナプキンに書いた1枚のスケッチだったそうです。

そのメモには、"ワイドボディの双発で、しかも従来の双発機よりもパワフルで遠くまで飛ぶ能力を持っている、 そんな飛行機ができないか..." と書かれていたとのこと。

世界でも日本でも一世代を築いた「Boeing777」。

今は苦しい状況ですが、また大空を悠々と飛ぶ姿を見たいです。

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