#B777

B777の種類

B777 Family

B777-200

ローンチカスタマーは「UAL(ユナイテッド航空)」。

B777シリーズで標準型として初めて開発された、Boeing初のFBW操縦装置を使ったジェット機。

Aマーケットとして開発され、Aマーケットの中でも下表の3種類が設定された。
(マーケットとは、ワイドボディ機の就航路線の距離に応じての分類で、距離が5,000海里未満がAマーケット、5000海里以上8000海里未満がBマーケット、それ以上がCマーケットとしている。)

Aマーケット内訳
-離陸重量[kg]航続距離[km]
1.229,5227,380
2.233,6044,050
3.247,2129,704

エンジンは下記の3社から選択可能とした。

  • Pratt&whitney社(PW社)のPW4000シリーズ
  • General Electric社(GE社)のGE90シリーズ
  • Rolls-Royce社(RR社)のTrent800シリーズ

日本では、当時のANA/JAL/JASが採用。三社ともエンジンはPW4000シリーズを選択した。
さらに初期に受領した機体は、空港着陸料の関係からAマーケットで設定された離陸重量を低く設定したものになっている。

B777-200ER

B777-200より航続距離を延長したタイプで、当初は-200IGW(Increased Gross Weight)と呼ばれたが、後に-200ER(Extended Range)に変更された。

ローンチカスタマーは「BAW(ブリティッシュ・エアウェイズ)」。

Bマーケット型として開発された。
B777-200より燃料容量を増やし(117,344[L]→171,171[L])、最大離陸重量を引き上げ、航続距離を延長した。

離陸重量/航続距離はそれぞれ下表のようになっており、BAWは3.のタイプを選択。
その後、AFR(エールフランス航空)が発注したものはさらに増量を増加したものになった。(離陸重量293,933kg)

Bマーケット内訳
-離陸重量[kg]航続距離[km]
1.263,08810,816
2.267,62411,519
3.286,90213,390

エンジンは-200と同様3社から選択可能とした。
日本では、ANA/JALが採用。エンジンはANAがPW4000シリーズ、JALがGE90シリーズを選択。

B777-300

ローンチカスタマーは「CPA(キャセイパシフィック航空)」。

B777-200ERより胴体を長くした機種。(主翼より前方5.33m後方4.80m延長:計10.13m)

胴体を延長したことで、タイプAの脱出口を主翼上面の胴体左右に1箇所ずつ増設、更に燃料容量と最大離陸重量を増やし、座席数はオールエコノミーで最大550席となっている。
そのため、747-100/200Bの後継機という位置で開発された。

エンジンは-200/-200ERと同じく3社から選択可能とした。
日本では、ANA/JALが採用。エンジンはANA/JAL共にPW4000シリーズを選択。

B777-200LR

ローンチカスタマーは「PIA(パキスタン航空)」。

B777-200ERよりさらに重量増加かつ航続距離を延長させた機種。(Longer Range)

B777-300ERと同時に開発が決定した。

-200ERより主翼燃料容量を増やし、レイクド・ウィングチップ(*1)SLG、TSP(*2)が搭載され、主翼幅が片翼1.98m長くなった。
その他離陸重量の引き上げに伴い、主翼構造/水平安定板/主翼構造/胴体構造/前脚の強化に加え、タイヤ/ブレーキ等様々な部分の強化が行われた。

エンジンはこれまでのシリーズと異なり、GE社のエンジン一択(GE90-110B1)とした。これは、重量増加型に必要な大推力エンジンへの発展には多大なコストがかかり、かつ機種限定のエンジンとなると大きな市場は機体できないとのことからである。

世界で最も遠くまで飛べる飛行機として、「ワールドライナー」と呼ばれる。

日本で採用しているエアラインはない。

レイクド・ウィングチップ:主翼端に取り付けられたチップ。飛行時の抵抗を軽減することができる。

>>詳細はB777の機構

B777-300ER

ローンチカスタマーは「AFR(エールフランス航空)」。

B777-300より航続距離を延長させた機種。(Extended Range)

-300より主翼燃料容量を増やし、-200LRと同じレイクド・ウィングチップ(*1)SLG、TSP(*2)搭載されており、それに加え、テイル・ストライクを防止するための引き込み式テイル・スキッドが装備されている。

エンジンは、GE社のエンジン一択(GE90-115B)。

ローンチカスタマーについては、 2000年3月にJALが世界で初めて発注をかけていることから、JALのように考えられるが、初めて商用運航をしたのはAFRであるため、公式ではAFRがローンチカスタマーとなっている。(テスト飛行に用いられたN5017V、N5016Rの2機は現在登録記号をJA732J/JA731Jに変え、JALに所属している。)

日本では、ANA/JALが採用。

N5017V、N5016Rの日本飛来

-300ERの試験機1号機と2号機は試験飛行中、日本にも飛来している。そのときは「世界地図塗装」と呼ばれる塗装を身にまとっていた。

2003年10月19日、型式証明取得に向け、試験飛行を行っている中、N5017Vがシンガポール(チャンギ空港)から日本(関西国際空港)へ初飛来。
(2002年11月14日、N5017Vロールアウト時のブリーフィングで2003年8月下旬から試験機2機による世界各地の飛行を行うことは発表していたが、N5017Vは当初の計画では日本に飛来する予定は無かった。)

N5017Vは翌日10月20日、東京国際空港から新千歳空港へ飛行。

そして10月21日、新千歳空港からアメリカ(コールドベイ)、ノルウェー(スバルバード)へ旅立った。

2003年10月23日、もう一機の試験飛行機N5016Rが東京国際空港へ飛来。同日中に台湾(桃園空港)へ飛び立った。

試験機の試験内容

共通事項
・キャビン前後方にはパラスト用のタンクが多数並べられ、中の水量を調整することで機内の重量バランスを換えて、重心位置を変えられるようにしていた。
・垂直安定板最上部後方に計測用コーンが付けられ、気流などを計測していた。
両パイロットが試験経過をモニターできるカラー表示装置が正面計器盤左右最外側に取り付けられていた。
N5017V
・空力、ブレーキ、システムのチェック。
・EFB(Electronic Flight Bag:電子フライトバッグ)の試験。
N5016R
・自動操縦装置、騒音のチェック。
・エンジンの試験。

SLG:Semi Levered Gearと呼ばれる主脚構造。離陸時の機首上げ角度に貢献している。
TSP:Tail Strike Protectionシステム=尾部接地防護システム。

>>いずれも詳細はB777の機構

B777Freighter

ローンチカスタマーは「AFR(エールフランス航空)」。

B777-200LRの重量増加型をベースにしたB777の純貨物型で、B767-300Fなどの50トン級と B747-8Fなどの150トン級の間を埋める存在。

最大航続距離は驚異の9,420海里(=約17,445km)。(-200ERは7,735海里)。
客室窓がなく、後部胴体左側に貨物搭載用の大型貨物扉が付けられ、胴体と主翼ボックスの構造が強化された。メインデッキには9Gに耐えられるカーゴバリアが装備されている。

B777X

sorry,coming soon

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